SNSや動画サービスが発達する現代、企業の動画広告の需要が高まっています。
本記事では、比較的低予算から制作できる「WEBCM」について解説します。WEBCMのメリット、制作事例、費用相場などを詳しく知ることができます。
WEBCM制作を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
WEBCMとは?
WEBCMとは、WEB上で行うCMのことです。
現在企業の利用が拡大しており、その背景には「動画視聴時間の増加」や「企業のインターネットマーケティングの拡大」が挙げられます。以下は、WEBCMが流れる代表的なサイトです。
- 動画サイト(YouTubeなど)
- SNS(インスタグラムやXなど)
- 検索サイト(GoogleやYahooなど)
一般的によく使われるサイトでCMを流すことで製品の知名度上昇や大きな宣伝効果を得ることができます。
次章では、TVCMとの違いを解説します。
TVCMとWEBCMの違いは?
TVCMとの大きな違いは以下のとおりです。
- ターゲットが限定的
- 効率的に視聴されるしくみ
- CM内容や尺が自由である
以下で解説します。
ターゲットが限定的
不特定多数に向けたTVCMに対し、WEBCMはターゲットが限定的です。
なぜなら、視聴媒体によってユーザーの年齢層に違いがあるからです。そのためターゲットを絞った製品のアピールに効果的です。
例
20代:Xやインスタグラム
30代:Facebook
全年齢:YouTube(注1)
※注1:総務省「令和4年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査 p.93
https://www.soumu.go.jp/main_content/000887660.pdf
需要と供給がマッチしやすいしくみ
WEBCMはユーザーが「買いたいもの」と企業が「売りたいもの」がマッチしやすくなる、そんなしくみになっています。
不特定多数に向けたTVCMに対し、企業はターゲットを絞りWEBCMを流すため、ターゲット層のユーザーに興味を持ってもらえる確率が高くなります。
CM内容や尺が自由である
比較的、WEBCMは内容や尺が自由です。そのため、イラストタッチや短時間CMなど、ユーザーが見やすく、飽きにくくさせるための制作の工夫を柔軟におこなうことができます。
WEBCMのメリットとデメリット
本章では、WEBCMのメリットとデメリットを解説します。制作の際、メリットやデメリットを知っておくことであらかじめ準備や対策ができます。
メリット
- コストをおさえてCM制作ができる
- CM評価の見える化
- 機会損失を防ぐ
1. コストをおさえてCM制作ができる
WEBCMは、月々数万円から広告を出稿できます。対してTVCMでは、タレント出演料など最低でも100万円単位での出費も珍しくありません。
出稿後のパフォーマンスによって即座にCMの今後を検討でき、限られた予算を効果的に使うことができます。
2. CM評価の見える化
WEBCMは評価をすぐに確認することができます。
「いいね」やコメント欄、解析ツールを活用してCMパフォーマンスの評価をすれば、次回への反省点も明白です。
CMパフォーマンスの良し悪しによって次のアクションを早期に検討でき、効率的な広告マーケティングを行うことができます。
3. 機会損失を防ぐ
WEBCMは、ユーザーによる製品検討のチャンスを逃しません。CTAボタンを設置し、アクションをコンバージョンできる点がWEBCMならではのメリットです。
ユーザーがWEBCMをみて製品が気になった場合は、購入ボタンやダウンロードボタンで次のアクションに促します。
デメリット
WEBCM制作前に、デメリットもしっかり把握しておきましょう。
- ネット環境が不可欠
- 制作の手間がかかる
- WEBCMをスキップされる可能性
以下、解説します。
1. ネット環境が不可欠
WEBCMはネット回線がなければ視聴されず、訴求ができません。
現在ではインターネット利用環境が整っている場合が多いですが、動画広告の視聴にはWi-Fiが整った環境がベストです。
2. 制作の手間がかかる
スマホやタブレット、ノートPCやデスクトップPCなど、多様な端末で視聴されるWEBCM。端末ごとに見やすさを追求するため、制作に手間がかかります。
さまざまな端末を想定し、動画の構成、尺、見やすさなどを考えなければなりません。
場合によってはコストに影響する可能性があります。
3. WEBCMをスキップされる可能性
広告のスキップ機能はCM制作側からするとデメリットそのものです。
スキップ機能は、WEBCM開始から数秒たてば動画をとばすことのできる機能です。魅力的なコンテンツに対し、WEBCMにも関心をもってもらわなければなりません。
WEBCMの主な配信先は?
TVCMはテレビで配信されるのに対し、WEBCMはインターネット上で配信されます。たとえば以下のような配信先が挙げられます。
- 動画サイト(YouTubeなど)
- SNS(インスタグラムやXなど)
- 検索サイト(GoogleやYahooなど)
不特定多数に向けたTVCMとは異なり、WEBCMは限定されたユーザー層へ向けた配信です。すなわち制作にあたっては「誰に」「何を」「どのように」PRするのか、目的を明確にする必要があります。
WEBCMは「設計」が全て
他社と差をつけるため、ユーザーに刺さるCMにするため、購入に結びつけるため、すべてにおいて「設計」が重要です。
WEBCMを制作する際には以下のポイントを参考にしてみてください。
構成はストーリ性をもたせる
構成の代表例といえば「ストーリー」形式のCMです。
たとえば車のCM。カップルや家族が車で出かけて帰宅するまでの過程において荷物を楽に載せられる、子どもでも乗り降りしやすいなどメリットをPRできます。
ストーリー性をもたせることで実際にイメージが湧きやすく、結末が気になり最後まで視聴される可能性が高まります。
冒頭2~3秒にインパクトをもたせる
冒頭2〜3秒でユーザーはスキップするか否かを判断します。そのため、冒頭でいかにユーザーの興味を引くかが勝負所となります。
制作にあたり、文字やイラストなど視覚面、またはキーワードを含むナレーションでユーザーの興味をひきましょう。
短時間でスムーズに情報が得られる設計
ユーザーにとって「ためになる情報」であれば、最後まで視聴してくれる可能性が高いです。
限られた時間内で効率よく情報を得てもらうためには、テンポ感のある進行、見やすいテロップに配慮しましょう。
3つの制作事例
WEB CM「とある青春 サイドストーリー」篇 |シーブリーズ
青春の1ページをまとめた、ストーリー性のあるWEBCMの一例です。
プロローグ編・エピローグ編などシリーズがある点は、ユーザーをうまく引き込む手法のひとつです。
マイナビバイトWEBCM|カフェのアルバイト
アルバイトを初めておこなう10代〜20代のユーザー層をキャッチできるWEBCMです。
こちらのCMはショートCM、字幕テロップを入れるなど見やすくするための工夫がされています。
参照:https://youtube.com/shorts/dm6huB7Vlyc?si=Yo0nZdO0FMm393QP
新入社員成長動画「今までになかった常識を作ることができる」teaser vol1 / WebCM
こちらはわずか5秒ながらもインパクトのあるWEBCMです。
冒頭2〜3秒で、文字装飾や大きめのテロップがあり、伝えたいメッセージを一言で残すことでインパクトを与えています。
どのような会社なのか気なってしまう、そのような設計になっています。
WEBCMの費用相場
WEBCMの制作にあたり「なにに」「どれくらい」費用がかかるのかを解説します。
費用相場は「動画制作にかかる費用」と「CM運用にかかる費用」に大別されます。以下の表を参考にしてみてください。
動画制作にかかる費用
費用項目 | 内容 | 費用 |
---|---|---|
企画 | 作家へ構成依頼、人件費、台本作りの費用など | 5~100万円 |
撮影 | 撮影に使用する機材、人件費など | 5~50万円 |
編集 | アニメーションなど動画編集にかかる費用 | 2~10万円 |
出演料 (ギャラ) | 起用する人材によって大きく異なる | インフルエンサー:3~500万円 モデル:5~500万円 タレント:500~1,500万円 アスリート:50~2,000万円超 専門家:30~150万円 |
CM運用にかかる費用
運用にかかるコストは「制作目的」や「ターゲット層」により異なります。
たとえば、見込み顧客に向けたCMであれば、月に数万円程度の配信コストでも制作可能です。一方で、著名人を起用した大規模な宣伝であれば月に数千万円かかることも。
低予算からでも運用できる点では、TVCMよりも制作のハードルが下がります。
まとめ
WEBCMは費用面においてTVCMよりも制作しやすい点が特長です。製品に合うターゲット層に向け、製品のポイントを効果的に伝えることができます。
TV離れが加速している現代、多くの人がスマホをもちさまざまな年齢層で動画視聴がされています。WEB上の動画広告「WEBCM」は今後も需要が増え、TVCMにならぶ市場の拡大が予想されます。
企業の新たな広告戦略に、WEBCMをぜひ制作してみてください。その際は本記事の内容をお役立てください。